「納得!エクステリア講座」第39回・・・激変したアプローチプランとその理由!
門廻り・塀廻りに続きアプローチについて考えます。実は、生活環境の変化に伴い、アプローチに対する考え方が根本的に変わりました。まず、その変化理由を知り、暮らしに適したアプローチプランを作成する事が、極めて重要になります。
第13章 外観重視〜機能重視のアプローチへ!①
エクステリア(住まいの屋外空間)のアプローチとは、敷地内通路の事。従って、1:庭内のアプローチ 2:車庫と勝手口を結ぶアプローチ 3:勝手口と門廻りを繋ぐアプローチ 4:玄関〜門廻り〜道路を繋ぐアプローチ 5:以上の複合型アプローチ・・・等様々。ただし、3と4が最も重要でこの2点に焦点を絞り検証します。
アプローチ=人の通路。従って、<人が歩き(通り)やすい>と言う事を最優先しなければなりません。しかし、この当たり前ともいえる考え方が定着したのは最近の事。少し前までは、外見的な美しさが優先されてきました。結果として、<細く・長く・先が見えにくい>と言ったアプローチが長い間良いとされてきました。おそらく、「露地(茶庭)」的発想が強く影響していたのでしょう。
しかし、人間優先の考え方・高齢化社会・・・等の影響で、アプローチも<機能優先型>へと大きく変化しました。従って、<幅広い・短い・歩きやすい+α美しい>が最も重要なプランポイントとなり、その内容が激変しました。
以上を前提に、最新のアプローチプランについて検証します。
アプローチは人の通路。具体的には絶対的に必要な2大ポイントがあります。1つ目は<人が通れる幅の確保>。2つ目は<人が通れる段差処理がなされている事>。以上です。当たり前・・・その通りです。しかし、最新のアプローチプでは、単に<通れる・登れる>だけでは落第。<通りやすい・登りやすい・+α美しい>でなくては及第点とは言えません。しかも、高齢者・ハンデを持つ人もその対象とすべき時代となりました。
例えばアプローチの幅ですが、つい最近まで90㎝が標準とされてきました。しかし、現状では90㎝が最低と考えるべきです。階段に関しても、蹴上高15㎝程度・ステップ幅(奥行)30㎝程度と言う考え方も、これが限界点で、出来ればもう少し低目・長めと言う考え方を持つべきでしょう。
以上を前提に、次項ではより具体的に<現代のアプローチはどのようなものであるべきか>について考えます。
そこで本日の一口アドバイス。
「狭く・長く〜広く・短くへ! 激変するアプローチプランにあなたはどう対処すべきか?」
(みずき りょう)
周囲と一体型のアプローチ・・・このように周囲との仕切り・段差をなくし、より通りすくしたアプローチが増えている。ただし、土間素材を変えるなどしてでデザイン的工夫も!
南仏イメージを取り入れたアプローチ・・・このように少しノスタルジックな作品でも、アプローチは<幅広・短め>が近年の主流!
ゆったり階段・・・スペースに余裕があれば、<階段の高さ(蹴上)はより低く・ステップ幅(奥行)はより広く>した方が良い!