「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO830
「WOOD EXTERIOR 編」
今回からは「レッドウッド」について、様々な角度から検証して見たいと思います。それだけ、樹木としてもエクステリア用木材としても、興味のある存在であるからです。まずは、「レッドウッド(セコイア)」の系譜について・・・
「レッドウッド」とは通称で、材木が赤みを帯びているため、このような名前が付いています。学名は「Sequia.sempervirens(セコイア・センペルビレンズ)」で、分類学上はスギ科、セコイア属、センペルビレンスと言う常緑針葉樹となります。つまり、スギの仲間であるということで、ここが重要です。
そして、スギ科の植物は、日本の「スギ」、中国の「メタセコイア」などごく一部に限られています。ヨーロッパの「イトスギ」、アメリカの「レッドシーダー」、ヒマラヤ地区原産の「ヒマラヤスギ」・・・など、スギの名の付いた有名な樹木は多数ありますが、いずれも外見上から来る通称で、スギ科ではありません。
一方、「セコイア」の名を持つ樹木としては、「レッドウッド」(アメリカ・カリフォルニア州)、「ジャイアントセコイア」(アメリカ・カリフォルニア州)、「メタセコイア」(中国・湖北省方面)の3種が知られています。そして、少し前までは、この3種は全てセコイアの仲間であるとされていました。特に、「レッドウッド」と自生地が近い「ジャイアントセコイア」は極めて近しい関係にあるとされていました。
しかし、現在ではセコイア属と呼べるのは、「レッドウッド」だけと言う分類になっています。もちろん、葉、種子、などの研究が進んだ結果によるものです。
そして、最新の分類では、「ジャイアントセコイア」はヒノキ科、セコイアデンドロン属、ジャイアントセコイア(セコイアオスギ)。「メタセコイア」はスギ科、メタセコイア属、メタセコイア(アケボノスギ)、となっています。
ここから、①:現存する「セコイア属」は「レッドウッド」1種のみ ②:「セコイア」の近似種であるスギ科の樹木は「メタセコイア」と日本の「スギ」のみ ③:「ジャイアントセコイア」と「レッドウッド」の関係は意外に遠い・・・と言った構図が描き出されます。
つまり、5,000万年ほど前まで大繁栄していた「セコイア」は「レッドウッド」以外は絶滅した。ただし、少しだけ別の進化を遂げた「スギ」と「メタセコイア」も現代に残された、と言うことです。
そこで本日のひと口アドバイス。
「現存するセコイアはレッドウッドだけ! ただ、スギ、メタセコイアもその末裔に近い存在」
(りょう)