りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO837

「WOOD EXTERIOR 編」・・・アイアンウッド「ウリン」の秘密?

「ハードウッド」とは何かと言うことと、最近の実態についてご理解いただけたでしょうか? この項からは、主な「ハードウッド」を個別に取り上げ、特性、現状などについて述べていきます。まずは、アジア産出の代表的「ハードウッド」「ウリン」から・・・

「ウリン」は主に「ボルネオ島」に自生する、クスノキ科の常緑広葉樹です。現地では「アイアンウッド(鉄木)」とも呼ばれる、非常に堅くて重い木です。過去、「ウリン」は輸出が禁止されていましたが、1996年から解禁となり、日本にも入ってくるようになりました。しかし、乱伐が著しくなり、インドネシア政府は再び出荷停止の方針を打ち出しています。

ただ、ボルネオ島には特殊な事情があります。一般の人は、同島はインドネシアであると思っています。しかし、実は北部はマレーシア領です。そして、マレーシア政府は現在も「ウリン」の輸出を許可しています。ただし、同地区では「ビリアン」と言う名称が多く使われ、このため、最近日本でも「ウリン」「ビリアン」と言う2つの名称が使われるようになりました。

「ウリン」「ビリアン」の木材としての徴としては、以下の点を上げることが出来ます。

①:比重が1前後あり、非常に堅くて重い・・・従って、加工性は悪いが腐りにくく、エクステリア材としての評価が高い。

②:樹脂にタンニン(ポリフェノール)を多く含む・・より腐りにくいと言う長所にもなる。しかし、タンニンがなくてもこれぐらい堅い木材は20年以上の耐久性を持ち、シロアリにも強い。従って、タンニンにより赤い樹液が出ることを欠点とする場合の方が多かった。しかし、キッチンハイター等で拭けば落ちる、取り扱いになれた、などの理由で最近はあまり大きな問題にならなくなった。

③:ソリ、ヒネリが「ハードウッド」類にしては少ない・・・この点は、エクステリア材として、大きな魅力の1つ。

④:色はブラウン系・・・色調の評価は好き好き。ただ、堅く塗料が浸透しにくい点も含め、やや塗装がしにくいと言う傾向がある。

以上が主なものです。まとめて、その特徴を述べると、極めて評価の高い「ハードウッド(エクステリア材)」と言うことです。

しかし、マレーシアからの供給には限界があります。おそらく、近い将来供給が困難になって来るでしょう。また、無理に材を確保しているためか、品質の低下が目立ってきています。

なお、「ウリン」「ビリアン」を「アイアンウッド(鉄木)」と呼ぶと述べましたが、この呼称は「ハードウッド」全体に対し使う場合と、同木に限定し使う場合とがあり、エクステリア・木材業界としての統一見解はありません。

そこで本日のひと口アドバイス。

ウリン(ビリアン)は魅力一杯のエクステリア材! しかし、安定供給が困難になる可能性大」

(りょう)

 

 

 

 

 

「ボルネオ島」のジャングルに自生する「ウリン」。

 

 

 

 

 

 「ウリン」はクスノキ科の常緑広葉樹で。現地では「アイアンウッド(鉄木)」とも呼ばれている。

 

 

 

 

 

林立する「ウリン」。大木と呼べる大きさではない。

 

 

 

 

 

 

 木材加工された「ウリン」。原木の持ち出しは禁止されている。

 

 

 

 

 

 

「ウリン」で作られたデッキ。耐久性は抜群!

 

 

 

 

 

 

「ウリン」を使った角柱の目隠しフェンス。