りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO844

「WOOD EXTERIOR 編」・・・憧れの高級材「チーク」

アジアの「ハードウッド」紹介が終わりました。南米の同系材紹介に移る前に、「ハードウッド」ではありませんが、同じアジアの代表的木材「チーク」「ラワン」について検証してみたいと思います。まずは「チーク」から。

「チーク」とはクマツヅラ科の落葉広葉樹の総称です。アジアの熱帯モンスーン気候のエリアに分布し、主産地はインドシナ半島の国々と、インドネシアです。しかし、ビルマ(ミャンマー)、フィリピンではなどでは絶滅危惧種に指定されています。なお、「チーク」と言う名称はインド南部の言葉マラヤーラム語の「thekku」(「チークの木」と言う意味)に似由来し、定着したものと言われています。

「チーク」は樹高30m~40mに達する高木です。そして、雨季には熱帯の木としては珍しく落葉し、成長を止めます。このため、年輪が形成されるのも大きな特徴です。また、成長が遅いため、一度大木が伐採されてしまうと再生が難しく、次第に確保が困難になってきています。

木材としての特性は、①:比重は0.6~0・7程度で、広葉樹としては平均的重さ ②:ただし、耐久性がり、シロアリにも強い ③:ソリ、ヒネリ、ひび割れが少ない ④木理は直通で木目が細かく、磨くと艶が出る ⑤:南洋材としては珍しく年輪があり木目が美しい ⑥:経年と共に油分がにじみ出て「チーク色」と言う特有の色に変色する・・・などを上げることが出来ます。

これらの特性を活かし、船舶材、家具材、キャビネット材、彫刻材、などとして珍重されています。建築材としては、高級フロア材、デッキ材、等にも使われています。しかし、一般的な「ハードウッド」の3~5倍と価格が高い、供給がタイトになってきている、と言った理由から、大量に材を消費する分野での使用は困難になりつつあります。

「チーク」は「マホガニー」(南米材、後項にて紹介予定)と並ぶ高級熱帯材です。日本への主力供給元は、インドネシア、ビルマ(ミャンマー)でした。しかし、政情の問題から現在は大半がインドネシア、一部タイなどから輸入しています。

天然古木からとった「チーク」材は特に耐久性に優れ、高い評価があります。しかし、このような材は確保が極めて困難になっていることは、言うまでもありません。ようやく植林も行われるようになったため、この先栽培材が安定的に供給されるようになることを、期待したいものです。

そこで本日のひと口アドバイス。

「憧れの高級木材チーク! しかし、絶滅危惧種に指定する国もあり、栽培材への切り替えが必須条件に!」

(りょう)

 

 

 

 

「チーク」の林。「チーク」とはクマツヅラ科の落葉高木の総称。熱帯の樹木としては珍しい落葉広葉樹。

 

 

 

 

 

「チーク」の樹形。成長が遅く、最も評価の高い大木からの材は殆ど手に入らなくなっている。

 

 

 

 

 

 

「チーク」の実。少しホオズキの似ているが、まったく無関係。

 

 

 

 

 

 

「チーク」材の原木。大きなサイズの原木は極めて希少。

 

 

 

 

 

 

 

 

「チーク」の1枚板。熱帯材としては珍しく年輪がある。

 

 

 

 

 

 

「チーク」材製のガーデンファニチャー。加工性が良いのに、耐久性も抜群!