りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO846

 

「WOOD EXTERIOR 編」・・・アマゾンの神秘が育てた「イペ」!

今回からは、中南米産の「アイアンウッド」を紹介します。と言っても、ほぼ100%がアマゾン川流域に自生しており、従って、主産地はブラジルとペルーです。そして第1番目に登場するのは「イペ」です。

「イペ」はノウゼンカズラ科、タベブイア属の常緑広葉樹で、樹高30m以上の大木となります。しかも、黄色、ピンク、淡紫色などの美しい花を咲かせ、神秘性さえ漂わせる樹木です。花の美しさは、多分ノウゼンカズラの仲間の共通点で、いずれも「アサガオ」に似た形をしています。

「イペ」の木材としての特色は、①:比重が1を超えるものが多く、加工性は悪いが耐久性は抜群 ②:色は薄めの黄褐色で、ブラウン形の多い「ハードウッド」の中では特色がある ③:同時に薄く板目(年輪ではない)を表すことが多い ④:ソリ、ヒネリ、ひび割れが少なく、この面では施工が行いやすく、クレームが発生しにくい ⑤:アレルギーを引き起こす成分を持つ・・・と言ったことが上げられます。

結論から言うと、「イペ」は極めて優れた特性を持つ「ハードウッド」と言うことができます。従って、高い人気を持ち続けています。アレルゲンに関しては、不用意に木粉に触れるとかぶれることがあるということです。従って、製材時と施工時には取り扱いに注意する必要があります。ただ、木材に触れてもかぶれることは無く、使用については問題はありません。

それよりも、「イペ」が抱える大きな問題は、樹木そのものの枯渇です。あまり詳しいデータはありませんが、価格がかなり上昇しており、早晩確保が困難になる可能性が強いでしょう。いや、意識してもっと出荷調整すべきでしょう。

また、アレルゲンの成分とも関係しているのか、「イペ」は健康補助食品にもなっています。花がピンク系でかつ大木の樹皮に薬効があるとされ、この部分の粉末が各所で販売されています。インディオ達が古くから薬として使っていたためで、この種の「イペ」に限定し「紫イペ(タヒボ)」と呼んでいめす。さて、効果の程は・・・

自生している樹木「イペ」、密林で満開の花を咲かせる「イペ」、そしてアマゾンの「熱帯雨林」の写真を見ると、「レッドウッド」などとはまた別の意味で、生命の畏敬を感じます。それだけに、木材としても多くの魅力を持っていますが、何としても枯渇させてはなりません。しかし、その姿を見る限り、私見ですが、植林して育てられるとはとても思えません。

そこで本日のひと口アドバイス。

「アマゾンの神秘が作り出した樹木イペ! だからこそ、より計画的に、より大切に使おう!」

(りょう)

 

 

 

 

 

「イペ」の仲間「ノウゼンカズラ」の花。色は違うが「イペ」もまたよく似た美しい花を満開に咲かせる。

 

 

 

 

 

 

アマゾンのジャングルに自生する「イペ」の巨木。その姿は神秘的でさえある。また、樹皮には薬効があるとも・・・

 

 

 

 

 

 

「イペ」の花と葉。花の色には、黄色、ピンク、薄紫、などがあり、満開に咲きそろいジャングルを彩る。また、花の形でノウゼンカズラの仲間であることが分かる。

 

 

 

 

「イペ」の原木。材質的に非常に優れ、人気がある。しかし、価格が上昇し手に入りにくくなっている。

 

 

 

 

 

 

板材加工された「イペ」(右)。淡い黄褐色で、時に木目を表すことがある。「ハードウッド」の中では、特色があり見分けやすい。

 

 

 

 

 

 

「イペ」のウッドデッキ。多くのファンを持つ。