りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO851

 

「WOOD EXTERIOR 編」・・・ユーカリの仲間「ジャラ」!

「ハードウッド」のラストとして、少し変わった産地の木材2種を紹介します。まずは「ジャラ」から・・・

「ジャラ」は、フトモモ科、ユーカリ属の常緑広葉樹で、オーストラリアの西部を主産地としています。そして、興味深いのはこの「ユーカリ」と言う樹木群です。

「ユーカリ」はオーストラリアを中心に、約500種が自生しています。そして、同地区の樹木の70%以上が「ユーカリ」の仲間で占められています。つまり、それだけ繁殖力がおおせいだと言うことで、成長が早く、乾燥にも極めて強い樹木です。従って、「ユーカリ」は熱帯地方の植林材として注目されており、現に砂漠化対策にも多く使われています。

また、先住民族のアボリジニは「ユーカリ」を鎮痛剤、傷薬などとして活用しました。そして、今も、代表的なアロマオイルとして世界中で販売されています。

「ユーカリ」の一種である「ジャラ」も多くの熱帯材と異なり、成長が早いと言う大きな特色を持っています。その他の木材としての特徴は、①:比重は0.8前後で、耐久性もかなりある。ただ、「ウリン」「イペ」等と比較するとやや劣る ②:色はブラウン系で、木肌はやや粗い ③:前述のように熱帯地区用の植林材として注目されている・・・などが上げられます。

特色を見れば分かるように、「ジャラ」は魅力的側面を持ちながらも、「ハードウッド」としてはやや中途半端な一面があります。従って、早くから注目され、その名前は広く知られ、「アマジンジャラ」「パシフィックジャラ」など、南米材の俗称にも使われているほどですが、エクステリア材としての供給量はむしろ減少しています。

しかし、これまでに検証にてきたように、殆どの熱帯材、「ハードウッド」は供給面、自然保護の面で大きな問題を抱えています。この、避けて通れない難題を解決するには、「ジャラ」など「ユーカリ」類の植林を大幅に増加させ、栽培材に切り替えていくしか方法が無いと思われます。その意味で、もう一度「ジャラ」の存在を見直すべき時期が来たと言うべきでしょう。

勿論、一度破壊された熱帯雨林は元へ戻りません。ただ、破壊されたまま砂漠化させるのではなく、植林し人工林であっても緑のスペース増やすことは極めて重要です。それは、消失した自然の復活にはなりませんが、新しい産業を育てることにつながります。さらに熱帯雨林を破壊するのではなく、既に破壊した部分を有効に使うこと、それは地元だけではなく、欧米、日本などの先進国の義務では無いでしょうか。

そこで本日のひと口アドバイス。

「やや中途半端なハードウッドジャラ。だが、熱帯用栽培木の主役として復活の可能性も・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

「ユーカリ」の樹形。オーストラリアを中心に約500種が自生。そして、同地区・樹木の70%以上を占める。「ジャラ」も「ユーカリ」の一種。

 

 

 

 

 

 

「ジャラ」の原木。表面に細い横ラインが入っている。

 

 

 

 

「シャラ」の木肌。ブラウン色でやや粗目。

 

 

 

 

 

 

 

「ジャラ」のデッキパネル。このような使い方には向いている。

 

 

 

 

 

 

「ジャラ」製の公共スペース用デッキ。やや、耐久性に難があるかも・・・

 

 

 

 

 

 

「ジャラ」製のフェンス。埋め込み部分さえ気をつければ、フェンスとしては十分な耐久性があると考えられる。