りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO852

 

「WOOD EXTERIOR 編」・・・世界一の強者? 「ボンゴシ」

少し変わったエリアで産出する2つ目の「ハードウッド」として紹介するのは、アフリカ産の「ボンゴシ」です。

熱帯と言えば、ゾウ、ライオン、キリン・・・そしてアフリカ。こんなイメージを抱く人も多いでしょう。でも、良く考えると、そこに広がる風景はサバンナであり「熱帯雨林」とは少し異なります。実は、アフリカは最も乾燥化が激しい熱帯エリアとなっており、サバンナ化、さらには砂漠化が進んでいます。そして、現在では「熱帯雨林」は中西部に残っているだけです。これに輸送問題、政情も加わり、アジア、南米などと比較すると、日本へ入ってきているアフリカ産熱帯材はごく少量です。

今回紹介する「ハードウッド」「ボンゴシ」はオクナ科の常緑広葉樹で、勿論、自生地は中・西部アフリカの「熱帯雨林」。日本へはカメルーン、コートジボアールなどから輸出され、「エッキ」「アゾベ」などの別称もあります。

「ボンゴシ」は現地以外では、主にヨーロッパで使われていました。日本に輸入されるようになったのは1990年ごろからで、比較的新しい「ハードウッド」と言えます。輸入の最大の理由はその強度・耐久性にあります。

「ボンゴシ」は比重が1.1を超えるものも珍しくなく、世界で最も堅く、重く、強い木の1つです。樹脂に特別な成分は含めれていないようですが、これだけ堅いと、腐りにくく虫害にも強い。当然耐久性も抜群と言うことになります。「ハードウッド」中の「ハードウッド」・・・こんな表現がピッタリかもしれません。

その他の特色としては、①:色はブラウン系 ②:木肌に斑点模様がある ③:ソリ、ヒネリがかなり大きい ④:従って、加工性・施工性は極めて悪い・・・と言ったことを上げることができます。となると、耐久性は抜群でも、住宅用エクステリア材とし最適か否か、評価は微妙です。

上記の特性でも分かるように「ボンゴシ」はかなり特殊な使い方をされることが多い「ハードウッド」です。橋梁、大型の公共施設、などがその代表的なもので、こんなことが木材で出来るのか、と言った圧巻の施工例も少なくありません。日本では、ハウステンボス、大倉山スキー場のジャンプ施設、などが特に有名です。

実際のことは分かりませんが、アフリカの厳しい自然を生き抜いてきた、世界一強靭な木材・・・そんなイメージをおこさせるのがこの「ボンゴシ」。「鉄木」を上回る強者です。

そこで本日のひと口アドバイス。

「世界一の強者、そんな形容がピッタリのボンゴシ! だから、木製の橋梁などにもピッタリ!」

(りょう)

 

 

 

 

「ボンゴシ」の構造材。ものすごく強いが、ソリ、ヒネリは大きい。

 

 

 

 

 

 

橋梁材として使われた「ボンゴシ」。木材でこんなことが出来るのか・・・

 

 

 

 

 

 

「ボンゴシ」製の商品化された橋梁材(オランダ製)。

 

 

 

 

 

 

「ボンゴシ」の施工例(ハウステンボス)。

 

 

 

 

「ボンゴシ」の施工例。住宅よりも大型物件向きと言える。

 

 

 

 

「ボンゴシ」の木肌。ブラウン系で斑点がある。