りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO856

 

「住むに優しいエクステリア 編」・・・「レイズドベッド」が教えてくれるもの!

「園芸療法」についてご理解願えたでしょうか? そして、より大切なことは、この考え方を一般住宅のエクステリアスペースにも取り入れる必要があるということです。にもかかわらず、大手メーカーの商品や、一流と言われるプランナーの作品を見ても、この部分の知識があまりにも欠落したものが多く、愕然としてしまいます。

既に、立水栓については述べましたが、収納、ガーデンファニチャーのテーブルと椅子の関係、ユーティリティー空間の構成、ポストの位置、照明の使い方、などを見てもデザインばかりが優先され、使い勝手を殆ど考慮していないものが多いからです。

「園芸療法」のカリキュラムのメインは、勿論、園芸作業をどのように医療に役立てるかです。ただ、その過程において、どのような環境のもとで療法を実施するか、どのような材料や器具を使うか、そしてどのような教え方をすれば効果があるか、など幅広い研究が行われるようになっています。

特に、ハンディを持った人達が園芸に関連する作業を行うには、一般の人達より楽にそれがこなせる環境を整える必要があります。具体的には、腰高で作業が出来る、座ったまま作業が出来る、車椅子のまま作業が出来る、移動距離が少なくて済む、など多くの工夫を必要とします。

ただ、これらの点を整理して考えると、通常の暮らしでも参考になる部分が非常に多くあります。また、既に指摘したように屋内においては導入済みの部分も少なくありません。床のフラット化、間取りと通路の広さ、システムバスの構造、最近のキッチンプラン、などはその代表例といったところでしょう。

そして、エクステリア空間においてこれらの基本となるのが「レイズドベッド」と言う発想です。「レイズドベッド」を定義付けるとすれば「地面より高い位置に花壇を作る」と言うことでしょう。だだ、主目的はあくまでも作業性の向上です。視線に近い位置でより楽しく草花を観賞できる、デザイン性、なども「レイズドベド」の効能に含まれますが、それは二次的なことです。

となれば、「レイズドベッド」と言う発想の中から、使用目的による高さの基本、より有効な足元の処理方法、椅子や車椅子を使ったプランの基本、など様々な工夫と勉強の必要性が出てきます。当然、高齢者の方への対応方法も含め、エクステリアプランの改革にも繋がります。もちろん、これまでの商品開発にもメスを入れることになるでしょう。

ガーデンファニチャーだけに限定しても、あまりにも見た目だけのものが多すぎます。しかし、「レイズドベッド」の発想を広げていけば、高さ、大きさ、すわり心地など、より機能的な商品へと生まれ変わるでしょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

「園芸療法、そしてレイズドベッド・・・この発想がエクステリア空間のあり方にメスを入れる!」

(りょう)

 

 

 

 

簡易タイプの「レイズドベッド」。このようなスタイル、サイズなら家庭のガーデンにも簡単に導入することが出来る。

 

 

 

 

車椅子、座っての作業を想定し作られた「レイズドベッド」。適正な高さ設定と、足元が大きくくびれているところがポイント。

 

 

 

 

 

 

専門知識を持った人が作った「レイズドベッド」。どの点が優れ、どのような工夫が行われているか・・・答えは?