りょうさんの:エクステリア&ガーデン・ひと口メモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO859

 

「住むに優しいエクステリア 編」・・・間違いだらけの「立水栓」!

この項では屋外の水廻りについて検証します。この「りょうさんの:ほぼ毎日・・・」でも何度か、「立水栓」「屋外キッチン」を取り上げました。そして、大きな欠点を持つものが多すぎつと言う指摘も行ってきました。そして、欠点が出てくる最大の要因は、格好ばかりにとらわれ使う人の立場に立っていない、「レイズドベッド」の発想がまったく活かされていない、と言う2点にあります。

前項の、「作業台(ガーデンテーブル)」の時にも指摘しましたが、屋内では常識の機能性が屋外では無視されていることが多すぎます。「リビングガーデン」と言う言葉はあっても「ダイニングガーデン」と言う言葉が無いという現実を見ても、その状況を如実に表しています。

つまり、ガーデンファニチャーの大部分は居間(リビング)のイメージを屋外に持ち込んだもので、始めから機能性が無視されています。しかし、実際に求められているのはダイニングセットやキッチンで使われる家具のように、より機能性が充実したものです。まだまだ、使用者と供給者の意識に大きな溝があります。

屋外の水廻りではその差が特に顕著に現れています。代表ともいえる「立水栓」も、メーカー製品、設置例の殆どがデザイン優先のもので、機能的には決定的とも言える欠陥を持っています。より具体的に言えば、シンク(水受け)が地面の高さにある、カラン(蛇口)が1つ、と言うタイプです。

もちろん、ガーデンの水やり限定、洗車限定と言った単機能を求めた「立水栓」であれば何の問題もありません。しかし、より充実したガーデンライフを提唱し、高齢者の方やハンデを持った方にも楽しんでもらおうとする意識、世間の傾向とはまったく逆行した商品と言わざるを得ません。特に、前記のような単機能でデザインだけを重視した高額商品に対しては、大きな疑問を感じます。

勿論、メーカー商品にも機能を重視した、腰高シンクタイプ、キッチンタイプ、ペット対応型、等の水廻り商品もあります。しかし、殆どが20万円以上と高額で、幅広い普及を期待できるものではありません。

屋内の水廻り商品であれば、25万円前後で普及タイプの2700I型システムキッチンが販売されています。10万円まででシャワー付きの洗面ユニットが販売されています。屋外と屋内では条件も異なり、設置台数にも差があります。しかし、その差を引いても価格のギャップが大きすぎます。

そして、このようなギャップは、メーカー、設計・施工者の意識から生まれてくると言わざるを得ません。これを機会に、今後さらにエクステリアの重要ポイントとなる、屋外の水廻りに徹底的にメスを入れるべきでしょう。

そこで本日のひと口アドバイス。

「高級立水栓なのに蛇口が1つ、シンク(水受け)が地面と同じ高さ・・・これがエクステリアの実情!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

お洒落な規格タイプの「立水栓」。ただし、これだけのグレードの商品ならもっと機能性を重視すべきでは・・・

 

 

 

 

 

 

ローコストタイプの「立水栓」。でも、ホース専用蛇口を設けるなど、それなりの工夫が行われている。

 

 

 

 

 

 

特注の高級タイプ「立水栓(水廻り)」。予算をかけるだけの価値があるプランとなっている。デザイン性、腰高シンク、簡易作業台、収納機能・・・等々。