「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデン・ひと口メモ」・・・NO870
「新築外構徹底研究 編」・・・土留めの上手な発注方!
住宅のプランが出来る前に、エクステリア専門店を訪れるメリットは他にもあります。今回は「擁壁」「土留め」について考えて見ます。
「土留め」とは文字通り、壁のようなものを造り土を止めることです。そして、コンクリートを使った強力な「土留め」方法の1つが「擁壁」です。つまり、「土留め」には様々な方法があると言うことです。前出の「コンクリート擁壁」「各種石積み」「レンガ積み」「各種ブロック積み」などです。しかし、「土留め」で最も重要なことは、外見ではなく強度・耐久性です。
土は非常に重いものです。しかも、水を含むと崩れやすくなります。この始末の悪い土を留めるわけですから「土留め」には強度が必要になります。耐久性も勿論大事ですが、殆どが問題の無い材料で、あまり気にすることはありません。そこで、最も重要なのが「工法」です。住宅用の「土留め」にも多くの工法がありますが、代表的なものは「RC工法」と「組積造」の2種です。
「RC工法」とはコンクリートを枠の中に流し込む工法のことで、勿論、補強のため鉄筋も使います。「組積造」とはブロック、レンガ、石などを積み上げる工法のことです。こちらも、補強のため鉄筋をよく使います。そして、前者は強く、後者はあまり強くないと覚えておいてください。従って、建築基準法でも、「組積造」の土留めは基本的に認めていません。
ただし例外もあり、高さが1m以下であれば「組積造」での「土留め」も可能です。そして最も良く使う、一般のブロック(コンクリート・スタンダードブロック)は「組積造」で、高い「土留め」には使えません。ただ、同じブロックでも「型枠ブロック」と呼ばれるものは、「RC工法」となり、こちらは擁壁とほぼ同等の使い方が出来ます。この件に関しては、別項で詳述します。
話を戻します。この「土留め」とエクステリア専門店の早期訪問とどう関係があるのでしょうか。実は、1m以上の「土留め」が必要な部分を早く確認し、この部分は住宅業者に発注したほうが得になる場合が多いと言うことなのです。
エクステリア専門店からすると、土留めには大きな費用が必要で、この部分も受注したいのは当然です。しかし、1m以上の「土留め」であれば、住宅の基礎とセットで工事が出来、エクステリア専門店よりもコストが安くなることが多いのです。お客様利益を優先してこそ、本当の満足をお届けできます。従って、親切なエクステリア専門店なら、その場所を指摘し住宅業者にどのような「土留め」を発注すべきか、指示してくれるはずです。
そこで本日のひと口アドバイス。
「高さ1m以上の土留めはRC工法を使おう! そして、住宅の基礎とセットで発注しよう!」
(りょう)
「擁壁」(土留め)の断面図。大きな基礎が必要で、高さとほぼ同じ底辺が必要である・・・と覚えておこう。
「型枠ブロック」の形状。一般のブロックは「組積造」だが、「型枠ブロック」は「RC工法」となり高い「土留め」にも対応できる。
住宅地用の「土留め」工事。高さとほぼ同等の基礎(底面)が必要!