「天然素材の魅力」第51回・・・匍匐性草花の一押し「リピア」!
フロントガーデンの小さな空間。そこを活用した植栽がいかに大切かご理解願えたでしょうか。そして、同スペースで特に重要な役割を果たすのがグランドカバーです。この項からはその中でも<匍匐性(地を這うタイプ)>の推奨品を紹介。まずは一押しの「リピア」から・・・
<「リピア」が現代住宅にピッタリである理由>
匍匐性グランドカバーで最も著名なものは「芝生」。ただし、広い空間向きで必ずしも現代住宅向きとは言えません。そこで、同系グランドカバーをセレクトする基準として<狭い空間でも使いやすい>を前提条件とします。その結果、問題なく一押し(NO1)として取り上げる事が出来るのが「リピア」です。
「リピア」=クマズラ科イワダレソウ属の多年草。別名「ヒメイワダレソウ」。学名は「Phyla(イワダレソウ属) canescens」。剛健種で繁殖力も旺盛。ただし、植物体自体は小さいく枝別れしてマット状に広がる。花色は白〜薄いピンク。花期は5~9月と非常に長い。強いセシウム除去作用を持つ。
「イワダレソウ」=クマズラ科イワダレソウ属の多年草。学名は「Phyla(イワダレソウ属) nodiflora」。分布域は世界中の熱帯〜温帯と極めて広い。剛健種。「リピア」よりやや大柄。花期は7〜10月。薄い紫色で花序が上へ延びるが、「リピア」より目立たない。同属の基本種。ただし、学名からも分かる通り「リピア」とは別種。
「リピア」は何故一押しの匍匐性グランドカバーなのでしょうか? その特性は、①:剛健種でかつ繁殖力旺盛であるため、育てやすくすぐにマット状に広がる ②:花が美しく花期も非常に長い ③:踏み付けに強い ④:植物体が小さいため土間コン部等への侵入は意外に少ない・・・など。これを見ればもうお判りでしょう。「リピア」は匍匐性グランドカバーに求められるすべての条件を満たしていると言ってよいからです。
例えば、同じ剛健種の「グレコマ」(別項で詳述)などと比較しても、踏み付け・土間コン部への侵入度(「グレコマ」は草丈が長いため、大きく侵入)などの点で、「リピア」の方が有利性を持っています。従って、最近10年間で「リピア」の使用頻度は大きくアップし、人気もうなぎのぼり。なお、「リピア」×「イワダレソウ」の「グラピア」と言うグランドカバーも開発されており、将来性も大!
また、「リピア」は原発事故問題等でも注目されています。放射能半減期30年と厄介者の「セシウム137」(ウランを原子燃料とした場合、ストロンチウムとセシウム137が発生)の除去能力が極めて高いからです。そのうち<福島の救世主>などと言ったニュースも・・・
そこで本日の一口アドバイス。
「あんなに小さくて可憐なのに、すぐに群生し、半日陰でも、踏み付けも・・・」
(みずき りょう)
「リピア」の群生:すぐにマット状に広がる
「花」:可憐でしかも花期が極めて長い
草丈が短いためコンクリート部等への侵入は意外に少ない
「イワダレソウ」
「グラピア」:イワダレソウ×リピア。将来性大