建替の解体が始まりました。
旧Y邸です。
鉄骨造+木造で、何度も増築をした頑丈な家屋です。
いよいよ解体スタートです。
家屋の中を先に処理します。
剥き出し状態になって来ました。
家屋の外も廃棄物が置かれています。
2月末には更地になる予定です。
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「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,938
「作庭記」は、概要、池、池・寝殿・橋、石と池、立石(①~④)の次に、「島姿」の項目が2つ設けられています。この項はその「島姿」について検証します。
「作庭記10:島姿の様々に関する事①」・・・島の形・作り方①.
山島、野島、杜島、磯島、雲形、霞形、洲浜形、片流、干潟、松皮、等の島の種類がある。
一:山島は、池の中に島を作り、交互に高さ・低さの差を設け、常磐木(ときわぼく、常緑樹のこと。この場合のメインは松と考えてよいであろう)たくさん植えるとよい。島の前には白浜を設けて、山の傍に汀用の石も設置する事。
一:野島は、引き違え、引き違えに野筋(アンジレーション)を作り、背の所々に石を設置。それを基点として秋草などを植えて、さらに隙間ごとに苔などを敷くとさらによくなる。また、野島の場合も白浜を設ける方が良い。
一:杜島は、普通の平地にまばらに樹木を植え、その樹木が茂った下を透かして、木の根を出し這わせる。さらに、あまり目立たない程度の石を少し置き、芝も敷き、砂も散らしておくと風情が出る。
一:磯島は、直立した石を所々に設置して、その石に付随して、浪打の石も荒磯を連想させるように連続して設置する。さらに、直立した石の間には、あまり背の高くない松で年数を経た姿の良いもの(盆栽のような松と考えてよいであろう)等、緑深い樹木を植えるべきである。
「作庭記11:島姿の様々に関する事②」・・・島の形、作り方②。
一:雲形は、雲が風に吹かれて長く伸びたような姿で、石も、樹木も無い。ただ一面の白洲であるべきである。
一:霞形は、池の面を見渡すと、淡いみどりの水面に霞がかかったように、二重三重に重ねて交錯させ、繊細な感覚で各部分が途切れているように作る必要がある。また、霞形の場合も石も樹木も無い。白砂だけの方が良い。
一:洲浜形は、一般的な砂州のような形状にすべきだ。ただし、あまりきちんとした紺色の紋のように鮮明に仕上げるのはよくない。砂州と言っても、淡く引き伸ばしたように、あるいはゆるく湾曲させたように、あるいは背中合わせにずらして引き伸ばしたように、あるいは砂州のようであってそうではないように(ようするに全体が淡く溶け込むようにと言うことか?)作るべきだ。さらに、小さな松を少し植えるとよりよくなる。
一:片流様は、あえて特別な風情が無いように作る。単に、細長く水に少し浮かんだ白砂と言った具合。
一:干潟様は、塩の干上がった跡のように、一部水に浸ったところがあるよう、とぎれとぎれに作るのが良い。同時に、ごく自然に少し石が見えるとさらによくなる。当然、樹木があってはならない。
一:松皮様は、松の木肌のように、部分部分が食い違ったような形に仕上げる。各部分が途切れているように見えるように仕上げるのがポイント。樹木に関しては植えても植えなくてもよい。あくまで作者の感性による。
以上が「島姿」に関する記述です。これを見ると、日本三景の一つ松島のように、海に突き出し点在している島(山形と考えてよいであろう)~砂州~干潟のようなものまで、あらゆる自然の島の姿を取り入れています。自然への思い、観察力、それを庭にどう活かすか。それが作庭の原点と言うことでしょうか・・・
そこで本日の一口アドバイス。
「平安庭園のメインは池。池には多種多様な島。その景観を活かす作庭とは!」
(りょう)
松島:日本三景の一つ(宮城県)
砂州:潮の流れか作り出した絶景
干潟
「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,937
「作庭記」の「立石様」について検証中。この項では「大海の様式」「大河の様式」「山河の様式」に続き、「沼の様式」「蘆手の様式」「池河の様式」を取り上げます。
「作庭記8:立石様③」・・・沼の様、蘆(芦)手の様。
一:沼の様式は、石を立てることはむしろ稀で、ここかしこの入江の蘆、まこも、菖蒲、かきつばた、等の水辺の植物を植える。また、特に島などは無く、その分水面を広くして、果てしない広がりを演出して見せるようにする。
沼の様式は、溝の水が入り集まった留まり水とする。従って、近くに水の流れを作る出入り口があってはならない。だからこそ、水を思いがけないところから引き込むよう工夫する必要がある。また、広々とした感覚を出すため、水面を高く見せるような工夫も必要になる。
一:蘆(芦の旧字)手の様は、山などを高くしてはならない。ただし、野筋(緩やかな丘陵、アンジレーション)等からの池を連動させ、汀の部分には石を設置、石の周辺には小笹、やますげ、等の風にそよぐようなさわやかな草花を植え、樹木も梅柳(優美で季節を先取りする代表的樹木、と言った意味がある)等のしなやかのものを選んで植えるようにする。
さらに蘆手の様式は、平らな石を品と言う字のように(三角形状の配置)設置し、それを取り囲むように、背が低めであまり大きな茂りを作らない前栽を植えるようにするのが良いとされる。だから、石だけを際立たせるようなものではない。池の姿、土地の形状を考慮し、1つの池の中に、複数の様式を取り入れコーディネートを心がけることも大切な要因となる。
池の広い部分や、島の周辺には、海の様式を取り入れ、野筋の上には蘆手の様式を取り入れるなどと言った処理も効果的。ただし、ケース・バイ・ケースであるということも忘れてはならない。知識や考える力がない人が、単純にどのようなケースには何を設置するのが良いかと、固定観念にとらわれることは特によくない。
「作庭記9:立石様④」・・・池河の様。
一:池や河の演出は鋤鋒鍬形が良い。池ならびに汀の白浜は、鋤(農具・すき)先のように尖っているようにし、かつ鍬(農具・くわ)のように刻み込みがあるようにすると言うこと。このような形状を作るには、石を汀から離すこと。そして、池の石=海のイメージであるから、必ず石の根元を浪の下に隠すように設置しなければならない。
以上で「立石様」の記述は終わりです。そして、既に前項でも確認しましたが「立石」とは単なる石の設置方法、石組み限定のテクニックではありません。様式に応じた景観(庭)の作り方、部分的な演出方法、そして文字通りの石の設置方法など、状況に応じて「立石」(あるいは「石を立てる」)と言う表現が使われています。理由は、石による演出は、池とともに、少なくとも平安時代の庭園作りの根幹となるものであったから。そう考えてよいでしょう。
そこで本日の一口アドバイス。
「日本庭園は豪壮さだけではなく、広くて優美な空間演出も重視された!」
(りょう)
自然の「蘆(芦・葦)原 」=広がり
天然の池と石
水と柳
飛鳥苑池想像画(りょうさんブログより)
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