「木の文化」は、まだ生きている(飴村雄輔著) 連載第7回

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2:伝統建築の理論と在来工法の実態②

 

2-1 伝統的木造軸組工法の考え方とその理論

 

第二に、柱、桁、胴差、梁等の構造材の間隔や配置に無理が無いように設計されていることです。木材は柔らかい弾性物体です。胴差、桁、梁などの横架部材に対しても、たわみや変形がおこらないように、適切なスパンでそれらを支える柱を配置し、さらに梁の横揺れを抑えるつなぎ梁を適切に配置しています。また、柱もたわみや座屈が起こらない程度に太さを決め、その太さに合わせて高さ方向にも適切な位置に柱間につなぎ材が配置されています。標準的な柱で建っている伝統木造の建築物には高さ2m以内には必ず間柱を繋ぐ横材や小壁が入っています。欄干も含め長押や鴨居も、そういう意味での構造用繋ぎ材の一つなのです。

図-06伝統木造の構造材の配置例

 

 

 

 

 

 

 

伝統木造の構造材の配置例

 

伝統工法は現代建築工法のような柱間に筋交部材は用いません。柱と桁の継ぎ手が少々甘くてもそこに筋交斜材を入れるとその柱間の揺れは確かに収まりますが、外圧を受けた時、その力は垂直と水平方向に分散せずに、直近の筋交斜材を利用して流れやすくなり、その斜材を受ける土台や桁の接合部材に負荷が集中します。結果、建物全体としてのバランスを崩す要因になると捉えたようです。

図-07力の流れは斜材に集中する-01

 

 

 

 

 

 

力の流れは斜材に集中する

 

 

復元力という力を重視した場合、この考え方は理に適っています。そのため柱間の壁部分には斜材代わりに水平貫材を多用していました。この貫材は楔を併用すると大きく揺れても柱の変形を制御する力をかなり発揮します。貫工法は免震構造としての性能はかなり高く、京都の清水寺の舞台などはその代表的なつくりになっています。

筋交いを入れる事で、現代でいうところの「耐力壁」としての剛性面を実現するという考え方では無く、全体的なバランスを重視した伝統工法では、むしろ斜材は力の流れを崩す余計な存在として考えられていたようです。

写真-04清水寺の舞台を支える貫構法の構台 (1)

 

 

 

 

 

清水寺の舞台を支える貫構法の構台

 

また、外圧の力ができるだけ各部材に均等に吸収されるようにつなぎ梁のような横架材が適切に配置され、胴差や桁が外側に膨らまないように図-08建物の膨らみを抑え、桁を引き込むのが梁常に内側に部材を絞り込むようにつなぎ梁の配置が工夫されているのです。梁というのは上からの荷重を支えるだけのものだけではなく、本来の目的は建物全体の膨らみを防ぐ絞り込みが第一義です。

 

 

 

建物の膨らみを抑え桁を引き込むのが梁

 

みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,035

「世界のガーデン」第四章:イラン以外のペルシャ式庭園④

 

第17回:グラナダ編②「ヘネラリフェ」と「アルバイシン」

 

前項ではグラナダにある「アルハンブラ宮殿」を取り上げました。同宮殿程有名ではありませんが、実は同じ市街にもう2ヶ所ペルシャ由来のエリアがあります。「ヘネラリフェ」と「アルバイシン」です。両地区とも、「アルハンブラ宮殿」とセットで1984年に世界遺産に指定されており、ここで紹介しておきます。

「ヘネラリフェ」

「ヘネラリフェ」はムハンマド3世(在位1,302〜1,309年)時代に別荘として建設された建物と庭園で、「アルハンブラ宮殿」の北に位置する太陽の丘にあります。しかも、元々「アルハンブラ宮殿」とは渓谷をまたぐ歩道で結ばれていたとのことで、深い関連性があった建造物でもあります。

また、規模はそれほど大きくありませんが、建物・庭園(中庭)共にイスラム様式を色濃く残しており、文化・歴史遺産・芸術性などの面で高い評価を受けており、「アルハンブラ宮殿」とセットで訪れる観光客も多数います。

特に、建物内の中庭にある「ペルシャ式の庭園は」<アセキアの中庭>と呼ばれ、細長い池を囲むように花壇・噴水・柱廊などがあり珠玉の空間となっています。しかも、保存状態も極めてよく、創建当時の面影が色濃く残されています。

今日の姿になったのは、1931〜1951年にかけて行われた補修作業後。歴史を大切にしながらも、地元の川で産出する白と黒の石を使ったモザイク歩道も加わりより素晴らしいエリアとなっています。

ヘネラリフェ

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘネラリフェ」のメイン空間とも言える<アセキアの中庭>

H噴水

 

 

 

 

 

 

 

 

噴水

 

H階段

 

 

 

 

 

 

 

太陽の丘に向かう階段

 

H側面

 

 

 

 

 

水路

 

 

「アルバイシン」

「アルバイシン」とは、「アルハンブラ宮殿」の西側にある丘陵地帯でムーア人(アフリカ在住のイスラム教徒)支配したエリアの事。当然の事ながらイスラム色の強く残った歴史エリアとなっています。

この地区は、白壁の建物と石畳が特色で、イスラム式の浴場(ハマムーン)・グラナダ考古学博物館・モスク(イスラム教の教会)を改造したサン・サルバドール教会などがあり、特有の雰囲気を作り出しています。

Aアルハンブラより

 

 

 

 

 

「アルハンブラ宮殿」から見た「アルバイシン」エリア

 

Aモニュメント

 

 

 

 

 

 

 

町中のモニュメント

 

A通路

 

 

 

 

 

 

 

石畳の通路

 

A街並み

 

 

 

 

 

「アルバイシン」の街並み

 

 

 

 

4月の「egg-定例会」 速報!

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「木の文化」は、まだ生きている(飴村雄輔著) 連載第6回

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2:伝統建築の理論と在来工法の実態①

 

2-1 伝統的木造軸組み工法の考え方とその理論①

本来の日本建築「木組技術」とは果たしてどのようなものだったのでしょう。

日本には数百年、いや千数百年に及ぶ伝統的な木造建築物がまさに歴然と各地に残っています。これらは長い歴史の中で、それこそ幾度も大地震や水害に遭っており、それを乗り越えてきた建物です。では何故それだけの耐震性、耐久性をもっていたのか?伝統工法とは一体どのような力学理論の上に成り立っているのか?まず、その検証をしてみる必要があります。

日本建築とは柱と梁を組み合わせたいわゆる「架構式構造」が基本ですが、寺社仏閣や古い民家等の作りや納まりをじっくり観察してみると、その構造と様式は、大変よく考えられていることがわかります。まさに伝統建築物は先人たちの知恵の宝庫です。

ある日突然、天才が現れてこの建築構法を発明したわけではありません。大工棟梁は、建物の耐久性に対する工夫と知恵を凝らし、何代にも渡り試行錯誤と失敗を繰り返した上に、あみ出した技法を後世に伝えながら、膨大な時をかけて洗練された技術を築き上げてきたと考えるべきです。これが伝統建築技術といわれるものです。元々は、日本にも古くから神社建築などに代表される建築様式はありましたが、6世紀ごろ仏教の伝来とともに大陸から寺院建築の原型が伝わり、それが全国に伝わっていったと思われます。

しかし大陸と違って日本は地震国であり、また台風の通り道でもあり、当初はその伝来した原型のまま建てたのでしょうが、その後天災で何度も傷つき倒壊したと思われます。その度に当時の大工は知恵を絞ったのです。結果、伝来してから数百年かけて日本独自の災害に強い構造体に仕上げていったと考えられます。

 

歴史上の戦いで焼け落ちたものや、地震で倒壊したとか、風水害で大損傷したというはっきりとした記録の残っている建造物の跡地も各地に多く残っています。結局、再建されないまま歴史の中で消えていった建物も多くあったようです。かつての大工棟梁は、天災で倒壊していく様子を肌で観察体験し、検証し、その度に、建築技術を改良させてきたのです。

そう考えれば、再建されたものも含めて、少なくとも現存している建築物は、その後何度も災害を乗り越えられるように造られた建築構造物とみるべきです。ですから耐えて現代まで残っている古い建物にはそれだけの理由があるはずです。これらを細かく観察することで、伝統の軸組理論の本質を理解できるのです。

その伝統的な木軸理論を紐解くにはまず、木材という素材の特性を良く知ることに戻らなければなりません。木材の力学的物性、素材特性がわかればわかるほど、木を知り尽くした先人達の知恵と技が納得できます。

 

伝統木造建築力学の基本的な考え方とは何だったのか、を考察して、気付き学んだ事をいくつか紹介してみます。木造軸組の建物がどのような構造物か簡単に表現すると、常に揺れている構造物であるということです。

木材は鉄や石とは違って柔らかい生物体の塊ですから、しっかりと組み上げても外圧を受けると微妙に揺れ振動しているのです。揺れることで外圧を吸収し、揺れながら全体でバランスを取りながら安定状態に戻ろうとする弾性構造物なのです。現代でいう免震構造になっているのです。

体に響くような振動ではないのですが、厳密には常にその柔らかい微妙な振動状態で建物が存在しているとイメージしてみてください。ただし、揺れながら元の安定状態に戻るのは、その復元力の根源となる力がなくてはなりません。その強い復元力を発揮する条件とは何なのか。

これには大きく分けて三つの要素があると考えられます。

第一に、まず柱や梁などの構造部の継ぎ手がつながっている部分に確実に力を伝えられる仕口形状になっていることが大前提です。継ぎ手が緩くて部材がお互い密着していなければ力が全体に伝わらず、折角の復元力を生かした木組が機能しません。凸凹で組み合わせる継ぎ手部分の加工は、お互い微妙にサイズを変え、入り込むほどに密着するように工夫されています。また要所には、打ち込み木栓なども有効に使って継ぎ手を絶えず締め付けています。

図-05木栓を使って締め付ける継手

 

 

 

 

 

 

 

木栓を使って締め付ける継ぎ手

 

今日と明日は相談会♪

おはようございます。リフォームやましたの田中です。

コロナウィルスの影響で色々なイベントの中止が発表されておりますね(;^_^A

弊社でも4月に行う「春の大感謝祭」をどうするか検討中です・・・。

 

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、リフォームやましたはホームストア併設の会社になります。今までリフォームのホームページはありましたが、ホームストア側のページがありませんでした(;^ω^)

・・・が、この度出来ましたのでご案内させて頂きます!

 

https://hs-yamasita.net/

☝まだまだ「ホームストアヤマシタ」と検索するだけではなかなか出てきません(;^_^A

 

さて、今日と明日はエクステリア相談会です。

この2日間10:00~17:00の間はエクステリア相談の担当者が常駐しておりますので、お庭やフェンス、ブロックのお悩み事がありましたらご相談ください。

 

2020.2月表

 

 

 

 

 

 

2020.2月裏

 

 

 

 

 

 

 

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