りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,898

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・独立型ガーデンステージの特性!

家屋と接した隣接型ガーデンステージについて言及しました。つづいて、独立型ガーデンステージのプランポイント、関連商品について検証します。

すでに述べたとおり、独立型ガーデンステージを造るには、かなり広い空間を必要とします。恐らく250㎡以上の敷地を持つ住宅が主力対象となるでしょう。また、250㎡程度の敷地を有していても、大都市部では豪邸とも言える大きな家が建てられているケースが多くなりますが、当然この場合も対象外となります。つまり、地方都市型のプランと言えるかもしれません。

当然、敷地に余裕のある欧米では、独立型のガーデンステージがよく造られます。しかも、スケールの大きなものでは、中心部を少し掘り込み、噴水・池等を配し、周りからよく見えるように演出する場合もありますが、排水の問題等を考えると、日本では困難なスタイルと言えるかもしれません。

以上の前提条件から、現実の独立型ガーデンステージは、周囲とフラット〜やや高めの土間またはガーデンデッキをベースとしてプランを纏めることが基本となります。そして、目的に応じて、パーゴラ、ガゼボ(東屋)、ガーデンシェッド(小屋)、などを配するというのが一般的。また、より簡単なものとして、パラソル付のガーデンファニチャーを設置するという方法もあります。

ただし、独立型ガーデンステージも目的により、土間・床、屋根、囲いの造り方が大きく変わります。バーベキューが主目的、休憩場所、ガーデニングの基点、各種趣味の基点、などとして使われる場合が多く(勿論、これらの複数利用の場合も)、独立型ガーデンステージと言っても、各種各様であることは言うまでもありません。

例えば、バーベキューを主目的とした場合は、屋外キッチン、ダイニング系のガーデンファニチャー、収納庫、それにステージと隣接して造るバーベキュー炉(既成のバーベキューグリルを使う場合もある)などをどう配置するかが最も重要なポイントとなります。一方、キッチンガーデン、ガーデニングの基点としての役割が主目的となる場合は、各種周辺機能も大切ですが、機能+雰囲気づくりとしてガーデンシェッドにこだわる人も少なくありません。

また、独立型ガーデンステージの場合は、どの目的の基点としても使いやすいガゼボが効力を発揮することが少なくありません。日本ではまだ普及率が低いのですが、簡単なテントタイプ、欧米スタイル、アジアンテイスト、など多種多様なものがあります。輸入製品が多いのですが、ワンクラス上のガーデンづくり、ガーデンライフのためにも、独立型ガーデンステージの主役として、一度設置の検討をしてみてはいかがでしょうか?

そこで本日のひと口アドバイス。

「スペースに余裕があれば独立型のガーデンステージを! ガゼボも魅力的!」

(りょう)

 

 

 

 

 

独立型のガーデンステージプラン

 

 

 

 

 

 

ガーデンシェッド(小屋):ナチュラルスタイル

 

 

 

 

 

 

ガゼボ(東屋):洋風タイプ

りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,897

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・隣接型ガーデンステージの特性②!

A:家屋隣接型のガーデンステージについて検証中です。ベースはデッキにすべきか、土間仕様にすべきか、屋根は必要か、どの程度の囲い(建具)が必要か、目的をよく吟味して決定してください。

続いては、同ガーデンステージの見逃しやすい機能について。当然、目的により求められる機能は異なります。しかし、最初から設置しておいた方が、大部分のケースで便利(逆に設置しなくて失敗と)と言う物が2つあります。1つ目は水廻り設備、2つ目は屋外コンセントです。両者共「言われてみれば・・・」と言う人が多いのですが、現実には設置されていないケースの方が多いのが現状です。しかも、100万円以上もの予算を投入したにもかかわらず・・・

隣接型ガーデンステージ周辺の水廻り設備に関しては、単純な立水栓〜本格的屋外キッチンまで、様々なタイプがあります。ただし、フロントガーデンやカースペース付近の水栓り設備よりも多機能性が求められるケースが多くなります。従って、腰高シンク+2口以上の国産蛇口(1つはホース専用・1つは一般用。輸入物のカランは飲料用に不適切な商品が多い)+簡単な作業台(別設置でもOK)を基本ベースとしてください。そして、使用目的により何をプラスするかと言う発想で水廻りプランを考えると、失敗を防ぎやすくなります。

屋外コンセントに関しては、追記する必要もないでしょう。現代の暮らしに電機は必需品。屋内から電気を引っ張ることは出来ても、どうしても窓が邪魔をすることになります。なお、屋内では2畳にコンセント1か所と言うのが基準で、隣接型のガーデンステージもほぼ同じと考えてよいでしょう。

水廻り設備、コンセントはほぼ必需品ですが、その他に作業(調理)台、収納、テーブル、椅子、等のガーデンファニチャーも必要になることがあります。ただ、ファニチャーはリビング系とダイニング系に大別されます。屋外の場合はリビング系のファニチャーが既製品の主流となっていますが、実際にはダイニング系ファニチャーの方が使い勝手が良い場合が多いので、選択を間違わないようにご注意ください。

そして、上記全ての選択に影響するものとして、全体サイズ設定があります。そして、「大は小を兼ねるが、小は大を兼ねない」この基本発想を決して忘れないようにしてください。つまり、敷地条件・予算の許す範囲で、隣接型のガーデンステージは大きめを選ぶということ。逆に、イメージ優先で格好は良いがコンパクトにまとめすぎて使い勝手が悪い。このようなことにならないように、充分注意してください。屋外の場合は、屋内ほど緻密な行動パターンを設定したサイズ・プラン設定が困難であるからです。

そこで本日のひと口アドバイス。

「隣接型ガーデンステージには、水回り設備・屋外コンセントもお忘れなく!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

これが水廻り設備のベーススタイル

 

 

 

 

 

 

ファニチャーはダイニング系の方が・・・

 

 

 

 

 

 

隣接型ガーデンステージは大きめに!

りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,896

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・隣接型ガーデンステージの特性➀!

A:建物と接した隣接型 B:ガーデンの中心部に造る独立型 C:塀の内側を活用する変形の独立型・・・3つのガーデンステージについて言及しました。この項からは、A、B、C、それぞれの特性、種類、プランポイントについて検証します。

最初は、A:タイプから。既に提示したように、敷地が狭い住宅が多い日本では、このタイプがガーデンステージの主流となっています。そして、ベースとなる土間・床の部分は、デッキ(木、木樹脂、等)と土間系に大別されます。一部、ガーデンルーム等を設置し、床を室内と同系の仕様とするものもありますが、結露・外部からの雨の吹込み等を考慮すると、あまりお勧めとは言えません。

まず、デッキ系の床仕上げですが、リビング的な感覚で使うとき、水をあまり使わない時などにお勧めです。具体的には、物干し場、くつろぎ・語らいの場、キッチン機能を持たない飲食場、お子様の遊び場、ペットスペース(ただし、絶えず水洗いが必要な場合は別)、ガーデニング用、などに好都合です。デッキの材料は、DIYでローコストに仕上げる場合はSPF材(一般的な2×4部材。どこのホームセンターでも廉価販売されている)。プロに依頼する場合は、レッドウッド、各種ハードウッド、木樹脂(人工木)のいずれかがお勧めです。

一方、土間系の場合は、バーベキューコーナーの一貫、大型のペットスペース(良く水洗いする)、ガーデニング用、等に好都合です。土間仕上げの方法は多種多様。しかし、モダン系住宅の場合は大型(一般的には30㎝角)タイル貼、装飾性の強い住宅の場合は大型タイル貼か石貼をお勧めします。

A:タイプのガーデンステージでより重要なことは、どの程度の屋根・囲いを必要とするかと言うこと。最近話題のガーデンルームありきではなく、使用目的をよく考え、設置商品を選択してください。屋根・囲いが邪魔になることもあるからです。

屋根・囲い用の商品としては、パーゴラ、テラス屋根(アルミテラス)、テラス囲い(サンリーム)、ガーデンルーム類、コンサバトリー(ハイグレードタイプのサンルーム)など多様なものがあります。だからこそ、使用目的を再確認してから最適商品を選ぶようにしてください。

なお、最近はPM25、黄砂対策等でルーム系商品が注目されているという話も耳にします。この場合も、物干し場としての単一目的であれば、比較的値段の安いテラス囲いでOK。多目的に(物干し場&多目的オープンスペース等)に使う場合は、フルオープン・プルクローズタイプのガーデンルームがお勧めとなります。

要するにA:タイプのガーデンステージは、屋根・囲い、手すりなどの全くないオープンデッキ〜ルーム色の極めて強いものまで多種多様であるということ。この点がB、C:タイプのガーデンステージと大きく異なります。また、欧米にはない日本特有の使い方も多くなります。

そこで本日のひと口アドバイス。

「家屋隣接型のガーデンステージが日本の主流! 使用目的も多種多様」

(りょう)

 

 

 

 

 

フルオープンタイプのデッキ

 

 

 

 

 

 

木樹脂デッキ+テラス屋根

 

 

 

 

 

 

ガーデンルーム:土間仕様

りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,895

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・ガーデンステージの必要性!

100㎡以下、130〜200㎡、200㎡以上に分け、プライベートガーデンスペースをどのように確保するのが良いか確認しました。日本の一戸建て住宅の代表的な敷地条件であるからです。同時に、住宅配置、カースペースの取り方がいかに重要であるかもご理解願えたと思います。

この他、分譲マンション等の集合住宅のプライベートガーデンにも言及する必要がありますが、こちらはスペースの確保と言うよりも、どのような技術・プランを必要とするかが最も大切なポイントとなるため、ベランダ・屋上ガーデンのコーナーで詳述します。

今回からは、確保した空間を活かし、どのようなプライベートガーデンを造るかと言う、プランポイントについて検証していきます。

プライベートガーデンのプランで最も大切なことは何でしょうか。実は、ガーデンステージをどのようなものにするかです。でも、ガーデンステージとはあまり耳なれない言葉です。決して定着した表現ではないからです。しかし、観賞を主目的としたガーデンであれ、そこで楽しむことを主目的としたガーデンであれ、全てにその核となるスペースが必要で、その適切な総称がないためeggで設定した名称です。

具体的には、A:掃き出し窓の前など家屋に接したガーデンステージ B:庭のメインスペースに独立型として造るガーデンステージ C:塀の内側を使ったガーデンステージ・・・の3種があります。日本の住宅場合は敷地が狭いため、A:タイプがメインになり、一般的なデッキ、テラス屋根、サンルーム、ガーデンルーム、コンサバトリー、などの商品も大部分がこのタイプを想定したものです。

一方、B:タイプの場合はかなり敷地に余裕がないと困難ですが、ガーデン自体が独立した空間となり、夢は無限に広がります。C:タイプに場合はB:タイプの変形ともいえる独立型のガーデンステージですが、コンパクトにまとめることも可能で、もっと普及させるべきプランと言えるでしょう。

このように書くと、観賞が主目的のプライベートガーデンにはガーデンステージは不要。そのような勘違いをする人もいるかもしれません。しかし、和風住宅の縁側、濡れ縁等を見ても分かる通り、ガーデンステージは必要です。ガーデンプランではよくフォーカルポイントをどう作るかが話題となります。しかし、プライベートガーデンの場合はそのフォーカルポイント(あるいは庭の全景)をどこから、どのように眺めるかがより重要であることは言うまでもないからです。

一方、アクティブに楽しむタイプのガーデンも、ガーデンステージがより重要になることは言うまでもありません。また、現実の状況を考慮すると、近年のプライベートガーデンは、観賞+楽しむタイプと言った両用スタイルが主流で、ガーデンステージの役割について、もっと深く考えてプランを作成することが大切です。

そこで本日のひと口アドバイス。

「プライベートガーデンのプランは、まずガーデンステージから!」

(りょう)

 

 

 

 

 

Aタイプ:家屋と隣接したガーデンステージ

 

 

 

 

 

Bタイプ:独立型のガーデンステージ

 

 

 

 

 

 

 

Cタイプ:塀の内側を使ったガーデンステージ

りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,894

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・・プライベートガーデンをどう確保④?

100㎡前後、130〜200㎡の敷地の一戸建て住宅については、どのようにプライベートガーデンスペースを確保すべきかについて言及しました。この項では、200㎡以上の敷地について考えて見ます。

でも、200㎡強の敷地とは具体的にどのような住宅を想定すればよいのでしょうか? 結論から言えば、昭和前半以前の住宅で最も多い土地の広さ、東京オリンピック〜大阪万博頃の新興住宅の基本造成スペース、と言ったものがいわゆる200㎡スタイルの代表です。これを、現在の新興住宅に置き換えると、大都市部ではかなりのハイクラスと言うことになるでしょう。ただし、元々土地を持っている人住宅、地方の郊外住宅の場合は200㎡以上がむしろ主流となります。

勿論、200㎡どころか、300㎡以上と言った一戸建て住宅も珍しくありません。ただ、広ければプライベートガーデンスペースを確保することに何の問題もないわけで、ここでは200〜250㎡程度の敷地の場合(住宅の建て面積100〜150㎡)を対象とします。

この程度の敷地の場合は、150㎡程度の敷地とは異なり、2つの選択肢があります。1つ目は150㎡プランと同様に、フロントガーデンスペースを大きく取り、その一部を囲みプライベートガーデンとする方法。2つ目は、建物の裏側またはサイドをプライベートガーデンとする方法です。そして、プライベートな空間によりこだわる場合は、2つ目の方法がお勧めです。

いずれにしても、200〜250㎡の敷地があれば、プライベートガーデンと言う意識を強く持ち、ガーデンライフを楽しむという発想がないと、「モッタイナイ」。そう思います。ただし、オープン、セミクローズ(セミオープン)スタイルの外構を採用し、無駄としか言いようのないプランが多いのもまた現実です。住宅本体に気を取られ、屋外空間をどう有効に活用するかと言う発想がなかったためでしょう。

具体的には、敷地に余裕があるため、カースペースの奥行を7〜9mに設定し、建物配置も中途半端、カースペース自体も中途半端と言うケースが目立ちます。勿論、奥行7〜9mのカースペースであっても、多目的に使う、部分的にグリーン・ガーデニングスペースにするといった特別な目的があれば問題はありません。しかし、単に余裕があったから広くした、こんなプランが後を絶ちません。特に、平成に入ってからの新築住宅でこのようなケースが目立ち、残念でなりません。

今は時間・予算に余裕がない。だから、一定の空間を遊ばせておく。このような事情も考えられますが、それならそれでより良い建物配置、カースペースの取り方があることをご理解願いたいと思います。そう、敷地全体のゾーニングは、現在だけではなく将来も考えたものであるべきです。

そこで本日のひと口アドバイス。

「200㎡以上の敷地=現在〜将来のガーデンライフを想定したプランを!」

(りょう)

 

 

 

 

 

建物配置:大きく分けて2つの選択肢が・・・

 

 

 

 

 

 

適切なカースペースの広さとは・・・

 

 

 

 

 

 

プライベートガーデンをどう確保するか・・・

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